結びに想いを込めて、言葉はそっと胸の内にしまっておきましょう。
水引とは、贈答品や封筒につける飾り紐。
飛鳥時代に遣隋使の小野妹子が帰国の際に、隋からの使者の贈答品に、紅白に染めた麻糸がかけられていたのが最初だそうだ。当時は中国文化が手本だったため、これをまねて宮中の貴族を中心に贈答品に紅白の紐をかけることが大流行しました。
やがて紙の製法が確立すると、細い髪をよって、こより状にして作られるようになりました。一般の人々にもごく普通に水引が使われるようになったのは、第二次世界大戦後のことだそうだ。
それまでは侍の髪を結ぶ「元結い」という紐が主流でしたが、侍がいなくなり、装飾品としての水引が発展していきました。様々な結び方がある中で、代表的な結び方は「あわじ結び」。「あわじ結び」とは一度結ぶとほどけない結びのことで、再び繰り返すことのないようにと願いが込められています。
日本人は古来からダイレクトに気持ちを言葉に表さない民族です。水引はそんなの日本人の思いを形として送るという表現方法なのです。