いくつになってもときめく「鉄道ムード」のカレー屋さん、カレーステーションナイアガラ
いくつになってもときめく「鉄道ムード」のカレー屋さん、カレーステーションナイアガラ
カレーステーション ナイアガラ (地図)
「どんなレストランにも、一味違うの感動を求めたっていいはずだ!」と断固譲らない思いを自然と抱いてしまうレストランに出会ってしまった。それは祐天寺にある、とあるカレー屋さん。
東急東横線「祐天寺」駅を出て、線路沿いを中目黒方面にほどなく進むと、突如視界に現れるのが、駅の看板や踏切表など、普通なら駅で見かけるアイテムが派手に装飾されたお店。このお店こそが、通称鉄道ムードのカレー店「カレーステーション ナイアガラ(以下ナイアガラ)」である。
食べ物の購入は、電車の扉の入り口を開いてすぐ右にある食券機で済まそう。メニューは、通称「駅長」と呼ばれる創始者の内藤博敏さんが、戦前にお母さんに作ってもらった懐かしの味の数々。三段階の辛さから選べるカレーがメインとなっているが、他にはナポリタンなど、駅長の思い入れのあるメニューも並ぶので、気の向くままにボタンを選択しよう。
汽車がまだ木造だった昭和初期は、汽車に「食堂車」たるものがあったことをご存知だろうか。この「食堂車」で働くウェイトレスたちの制服にインスパイアされたユニフォームを身にまとうナイアガラの「添乗員さん」が案内してくれたのは、当時実際に使用されていた電車の座席。この椅子は、博物館以外では見ることも、座ることもできない貴重な過去のかけらである。
さて、お店は15席あり、お店の至るところに飾られた電車アイテムはといったら、いくら見渡しても飽きのこない量。大船駅の昔の乗り換え案内の看板や駅長さんの帽子、ナイアガラの駅長さんが各所の駅長さんたちに描いてもらった色紙の数々、初めて日本を走った新幹線「0系」の先端部分である「連結器カバー」(非常に巨大である)、ホームの柱にある駅名の看板(通称:サボ)など、中には車ひとつ買えてしまうくらい希少価値の高いアイテムも。
青い看板たちが「サイドボード(略称:サボ)」。
この帽子に入っている赤い線は、駅長さんや重役である証明らしい。
駅長のコレクションは、自身で全国を巡り収集したものから寄贈されたものを合わせ、計4,000点ほど。店に出ているのはほんの4%にしか満たないそう。ただ半年ごとにサボを変えたりなどの模様替えをしているので4%以上を目にしたいなら半年ごとに足を運ぶことをお薦めする。
鉄道ムード漂う店内に目を奪われていると、今度はアナウンスに耳を奪われる。
「カツカレー、発車します」
キッチンの方面からこちらに向かって動き出しているのは、汽車。そして汽車の後部についているのは、なんとカレーが乗ったトレイ。
「到着します」
先ほど食券機から購入したフードが、なんと汽車で席まで運ばれてくるのだ。
何度来ても、この仕掛けには心弾む感動を味わうことだろう。
「使われていないもの」なんて言われると埃をかぶってどんどん色褪せていくものを想像してしまうが、ここナイアガラで飾られているものたちは、人様の目に触れるごとに生きるように思える。電車という身近な乗り物の歴史に囲まれながらカレーを食べていると、こんなにも楽しい気分になれるのか、と懐かしくほころぶ味と共に、あったかい喜びを味わえることだろう。
カレーステーション ナイアガラ(地図)
営業時間:11:00-20:00
定休日:月曜日、木曜日
電話番号:03-3713-2602
クレジットカード:×
席数:15席
アクセス:東急東横線【祐天寺駅】から徒歩4分
公式サイト:http://www.niagara-curry.com/
こども鉄道回数券
帰り際にもらえるナイアガラ駅の切符