静かに佇む秘密基地、salon de’Parure/BARBARに迫る
静かに佇む秘密基地、salon de’Parure/BARBARに迫る
BARBAR, salon de’Parure / 東京・高円寺 (Map)
Kris Rocheが出演する「DISTRICT 81〜高円寺編〜」を見る
先日、不思議なバーに迷い込んだ。高円寺南口を出て、徒歩3分の場所で静かに営業をする「BARBAR」をキミはまだ知らない。なぜここまで言い切れるかというと、このバー(昼間は「salon de’Parure」という名のヘアサロンとして営業)には看板が一切ないからだ。おまけに2階にあるから、さらに探し出すのが難関なのだ。つねに下を向いて歩いている人は、その存在にすら気づいていないだろう。でもオーナーのHibariさんは、それで結構なのだ。看板を出していないのも「ゆるくやりたくてね」とのこと。まるで招待制のような佇まいだが、まったくそういうワケではない。通りすがる人の勇気次第なのだ。8割型は人を伝って「BARBAR」を知り、残りの2割は正真正銘の冒険者。中には、一年越しに勇気を振り絞って扉を開けた高円寺住民もいるのだとか。
「俺も普通の人だから開けれないと思うんですけど、まったく抵抗ない人がいるんですよ、そういうのに。ありがたい話なんですけど。抵抗なくて、冒険好きでバンと開けてくる人もいますから。おーよくきたね、みたいな。」
「BARBAR」があるビルに足を踏み入れ、蛍光灯が照らす階段を2階まで上がる。人の気配が一切せず不安が募るが、まるで倉庫につながりそうな黒い扉なので、ノブを回せばなんだか開きそう。でも、小心者には相当度胸がいるなァ。しかし、その扉を開けると一気に安堵感に包まれるのだ。だって開けた先は、しっとりとジャズが流れる美空間なんだもの。右手にはピアノ。そのまた奥には、シャンプー台。部屋の左手には座り心地満点なカットチェアがひとつ。そしてその前にはHibariさんのバーが広がる。
高校時代からギターを持ち、ロック、ジャズ、ブルースと様々なバンドに参加してきた岐阜生まれのHibariさんは、「お酒は好きだったけどね」と添えつつ、まさかバーをやるとは思いもしなかったのだそう。それが結婚を機に、昼間に営業する「salon de’Parure」を仕切る妻のMisaさんと共に、夜の部である「BARBAR」を担当することになったと話す。そうして一つの場所で二店舗を構える「BARBAR」/「salon de’Parure」が誕生したのだ。
お酒へのこだわりを尋ねると、「特にこだわっているわけじゃないんだけど、ウィスキーが好きだからどんどん増えていっちゃうね」とウィスキー愛好家にとっては嬉しい回答。朝5時まで開いている「BARBAR」は、高円寺を飲み歩く愉快な仲間たちの3、4軒目という立ち位置であると同時に、お酒好きのシックな溜まり場である。そのためスタンダードなメニューの用意はあるものの、ほとんどの人はバックバーの取り揃えを考察し、注文するという。ちょっと小腹が空いたキミは、生チョコやチーズケーキを優雅に食べるもよし、ちょっとクセのあるパクチーもやしをムシャムシャするもよし。
異彩を放つ物好きな人にとって、営業終了後の美容院で美味しいお酒を飲む異空間はたまらないはず。散々お酒に楽しませてもらった夜をスタイリッシュに締めたことなんて滅多になかったが、それは「BARBAR」という場所に巡り会っていなかったからだけなのかもしれない。
BARBAR, salon de’Parure (Map)
salon de’Parure: 11am-8pm (月-土) 11am-6pm (日・祝)
BARBAR: 8pm-5am (火-土)
定休日: 月曜日
予約: 03-5305-6372 / salon.de.parure.barbar@gmail.com
アクセス: JR中央線《高円寺駅》から徒歩3分
Official Website
Instagram: @parure.barbar